白土三平作品が未経験の方にオススメ!「真田剣流」
白土三平先生の代表作「忍者武芸帳」「カムイ伝」はたしかに素晴らしい作品だけど、大盛りで内容も濃いから読むにあたって覚悟が必要でござるよね。
じゃぁ一体、手頃なのは何かなぁと考えると。。。
やはりこの「真田剣流」なのだ。
文庫本2冊に収まる内容で、サクサクっと読めます。
絵も劇画調ではなく線がきれいな昔の漫画の画風でとっつきやすい。
内容も白土先生の特徴といわれている残虐な描写や、階級闘争のような思想的な部分もあまりないのでシンプルに忍者エンターテイメント作品として楽しめるでござるよ。
比較的冊数が少ない「ワタリ」も捨てがたいんだけど、ハッピーエンドじゃないからなぁ。。。
もっと強い刺激が必要な方は、やっぱり「カムイ伝」をがっつり読んでくださいね。
この漫画は風魔忍者が活躍する”忍者旋風シリーズ”の第2作目なんですが、他の2作品も面白いでござるよ。
アイヤー、うっかりしてた。思想的な要素ないとか言ったけど、ここで活躍する”風魔”は忍者の権利と生活を守る組合だったでござるよ(笑)
そんで、白土漫画なので、腕とか足はやっぱり吹っ飛びます。
ちなみに主人公は桔梗という名のかわいい少女です。
くノ一ではないのですが、身体能力も高く、真田忍者に伝わる剣術も会得するというなかなかの強者。若かりしころの宮本武蔵ともいい勝負をしちゃいます。
”スガル”という女の抜け忍が活躍する話があるけど、短編以外の白土作品では珍しいパターン。
この話は狙った相手を確実に暗殺できるという丑三つの術が書かれた巻物をめぐる徳川と真田忍者の争いと、巻物に秘められた謎を追う主人公と風魔の忍者による活躍が描かれているんですが、この謎解きがホント面白い。
あと白土漫画ではおなじみの四貫目や二代目服部半蔵なども登場したり盛りだくさんだけど、うまく構成がまとめられていて、丑三つの謎が明かされる結末まで一気に楽しめます。
今まで白土作品に縁がなかった方にオススメでござる。
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